月刊てんとうむし畑たより(第111号)

5月、新緑まぶしく、そしていろいろな鳥たちが恋を歌ういい季節になりましたね。野菜のパック詰めや出荷を行う作業室に今年は3組のツバメの夫婦が巣作り、かわいいヒナも生まれてピーピーと小さな声で鳴きだしました。

畑に植えた夏野菜たちも、少しずつ育ち、日毎に賑やかになってきています。そら豆、えんどうの旬の短い初夏の野菜収穫もピークをむかえてきています。

いつもの魚屋さんには、初夏といえばのアゴ(トビウオ)が並びだしました。さっそく特大一匹買い、刺身でいただく、うん、うまい!山や里だけでなく、海の幸にも初夏を感じることができる京丹後ならではの楽しみです。

「1対99対1000兆以上」

この季節、森の中を歩くのが楽しみの一つです。てんとうむしばたけは森に囲まれているので、いつでもすぐ、森に入ることが出来ます。いまだと血を吸いにくる蚊やブトなどのやっかいな虫も少なく、新緑美しく、森の散策には良い季節。

ヤマボウシやエゴノキの白い花、湿地にはモリアオガエルの卵をみつけたり、興味がつきません。陽のよくあたるところには、食べ頃まであと少しの野いちごがたくさん実をつけており、また、行きたくなります。

こんなステキな森、よく観察してみると、そこには、小さな循環の仕組みがあるのですよね。有機農業するなら、森がお手本。森には、すごいシステムが備わっているようです。

森の中には、たくさんの動物も暮らしています。虫たちの数は、すごい数。でも圧倒的に多いのは植物。森の中で、目に映るほとんどが植物です。たくさんの植物が動物を養っているかんじです。その割合はどうでしょう、1対99、ひょっとすると、もっと植物が多いかもしれません。以前に見たNHKスペシャルでは、地球上に占める生命の重量ベースだと、ほぼ植物につきる(数字は忘れちゃいました…)と言ってました。

そんな圧倒的な植物を育てているのが土。そして、その土を作っているのが、目に見えない小さな微生物。ずいぶん前ですが、立命館大学の先生が、てんとうむしばたけの土の中に住んでいる微生物の量を調べてくれました。なんと、たった1gの土の中に100億〜1000億もいるとの報告。さらに驚くことに、豊かな森の土には、1g中、100億〜1兆以上も微生物が暮らしているそうなのです。森全体的にしたら、いったいいくつの微生物がいることなのでしょう!!100兆?1000京?

動物、植物、微生物を割合であらわすなら、1対99対1000京以上になるのかも!!

地球は、太陽の光以外、すべてあるものだけで循環させて、自給自足しています。森も、その小さなシステムの一つ。この循環のシステムの根本が動物と植物と微生物の比率によるものだと思うのです。

「有機農業するには、牛糞や、鶏糞からつくった堆肥を使えばいいのですよね?」

こんな質問をうけることがあります。でも私たちのてんとうむしばたけでは、牛や鶏の堆肥は使ってません。落葉と刈草を大量につかって、微生物たちが大活躍する土を作っています。

「1対99対1000京以上」これが、牛や鶏糞堆肥をつかわない理由です。

畑には、いつもタヌキやウサギが入ってきて、ウンチします。虫はすごい数。今日も鳥たちがやってきて、畑にポトリ。時には、人間も。動物は、十分いるし、畑で不足しがちな植物を入れて微生物たちを増やす。人の手が入る畑は、人工のものですが、少しでも森の環境に近づけていくことが、元気な野菜つくりにつながっているんだと、信じています。

地球の大きな循環の一部になることが、人間も全ての生物も健康に生きてゆけることにつながると思います。健康であれば、人も野菜も薬いりませんからね。

そういえば、人間にも、一人に100兆の微生物が共生して暮らしているそうです。

そらまめの花