月刊てんとうむし畑だより

今春は、久しぶりに桜が咲く中での入学式となりましたね。先週は私たちも、満開の桜の下でてんとうむし畑のお花見会でした。他にも、庭ではカイドウのピンクの花、ジューンベリーの白い花、山では山ツツジの紫の花が華やかに咲いています。

タラの芽、ワラビ、タケノコ…山の幸も春の楽しみ。

いつもの魚屋さんへ行くと春カレイ、桜鯛、アサリ、コノシロ、ワカメ、など春の魚でにぎわっています。目にも、舌にも、うれしい季節ですね。

畑では、夏野菜のたねまき続きます。とうもろこし、きゅうり、かぼちゃ…。ソラマメやエンドウもグングン伸びて、紫と白の花をたくさん咲かしています。

山も畑も笑う季節になりましたね。こんな楽しい畑に遊びにきませんか?定期的なイベントが盛りだくさん!畑しごとをいっしょに1日体験も、随時受け付けています。(HPの体験よりお問い合わせください)

たっぷり旬のおやさいのおもちかえりもありますよ。

白ネギの収穫まつり!よいしょ!!深く土の中なのでたいへん!

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「野菜つくらず、土をつくる!その4」

河川敷でいろんな草と話をして、草を刈り、畑に運ぶ。森に入って、森からいろんな話を聞いて、落葉をいただく。だんだんと自然の奥深さに引き込まれていきます。いったい何種類の、そして、何個の塊がここに生きているのでしょう。何兆、何京、いやもっとたくさんの生き物がお互いに役割もあって、共生して、この自然を維持しているのです。開拓畑に戻ってみると、この自然とは程遠いことにがっくり…。

野菜を作っている場合じゃあない、土を作らねば!それからは、毎日土づくりが始まりました。一年目の草や落ち葉の山、2年目の刈草落ち葉の山、3年目になると元の草や落葉とは、全く様子が違ってきます。だんだんと、草から土に変わってゆく姿に驚きと発見の連続でした。目に見えて菌の種類がかわってゆき、においもかわってゆく。元は植物だけだったのに、ミミズやダンゴムシ、カブトムシの幼虫も、いっぱい、動物たちも、どんどん増えてゆきます。

4年目くらいになると、もう草、落葉の形もおもかげも全くなく、フカフカでやわらかい、完全に団粒化された土になっています。

そして、その上には、土の栄養たっぷり吸い上げた、草が青々と育っているのです。

この青々とした草を牛が食べれば、肉となり、牛乳となり、鶏が食べれば、卵になります。種をまけば、元気な野菜が育ちます。

ミミズやダンゴムシ、目に見えない菌、そして牛やニワトリ、人間もあらゆる命がこの土から生まれているといってもいいですよね。

この土、元々は植物の死体だったところに、たくさんの菌が活躍して、また菌も死んでゆく。ミミズやダンゴムシ、いろんな動物が活躍して、また死んでゆく。今の社会では、私たち人間は、死をむかえると、火葬場で骨だけになりますが、昔は土に還りました。

土って何?その答えはここにありました。すべての命はやがて死をむかえ、土に還り、そして、すべての命が土から生まれてくる…命の源って思いませんか?

もうひとつ、みんなウンチをしますよね。動物だけでなく、菌や植物もウンチ(老廃物の分泌)をします。ウンチってその生き物にとっていらないもの。そのウンチもまた土に還り、その土からすべての糧が生まれてきているのも、この土づくりの現場で見れます。

もし、この瞬間にすべての土がなくなってしまえば…やがて、地球は死体の山とウンチの星になってしまうってこと、想像できますよね。地球って、太陽の光以外、何も入って来ず、そこにある物だけで自給自足しています。それが何億年にもわたって…。

このすばらしい地球の仕組み、土によって全ての命が循環しているからだと思いませんか。

大学では、教えてくれなかったけど、森や土が教えてくれた土のすばらしさです。「やさいを作らず、土を作る」(私が土を作っているなんて、そんなおこがましい事、言えないのですが)こんな言葉を宣言して、20年以上いまだに野菜は作らず、土を作っていますが、今ではそこに元気な野菜たちがたくさん育っています。

ソラマメ畑