週刊ミニてんとうむし畑便り(11/2~11/8ミニ第481号)

11月、えっ! もう11月? いや、ちょっと早すぎるでしょう。というのも、まだ秋の畑作業が終わってないのですから。
ふり返ってみると、6月末に梅雨があけて、7月・8月は一滴も雨の無いかんばつと猛暑。
そして9月に入ったとたんに、雨つづきの高温多湿。
10月に入っても、そして、11月をむかえた今日もまた雨。
ハクサイの植え付、さつまいも掘り、冬の葉ものたねまき、いろんな秋の畑作業が前へ進まないのです。

先週訪れた北海道を始め、日本国内の野菜の大産地は、土質が黒ボク土という、とてもよく肥えた、そしてとても水はけの良い土質がほとんど。
雨が降った翌日でもぬかるみになることなく、トラクターでの作業が出来るほどの土質なのです。
それに比べて、京丹後の畑は、粘土混りの花崗岩の風化土。つまり、肥沃土がほぼゼロ。
そしてこの時期は、晴れが3~4日つづかないとトラクターが入れない…という悪条件。

普通の感覚なら、「よくこんな土質で有機農業が出来るね…」なんて言われるような畑なのです。
でもね、土作りというのはとても面白いもので、普通ならしっぽを巻いて逃げるようなやせ地でも、真剣にとりくめば、いい野菜が育つようになるのです。
事実、5年前に慣行栽培の農家が「何栽培しても出来ない」とさじを投げた畑を、草堆肥を入れ、土作りを続けて、ようやくやせ地でも育つ野菜ができる様になってきたのです。
いい畑と言えるようになるにはまだまだかかりますが、これが土作りの面白いところ。

きっと最初から肥沃な土だと、ここまで真剣に土のこと、微生物のこと、考えたり、土作りに力を注いだりしなかったかもしれません。
ましてや野菜が簡単に出来れば、野菜の声に耳をかたむけたりしなかったでしょう。
「人は条件が悪い程、成長する!」ということなのでしょう。

ちなみに、畑の有用微生物の両横綱の、根粒菌とAV菌根菌(原文まま)は、肥沃な畑ではあまり働かず、やせた畑でこそ大活躍するんだって!
というわけで、今夜も雨音でねむれぬならば、読書で頭を成長させましょう。