スタッフコラム(湊)
皆さん最近狩りは行っておられますか?スタッフの湊です。
春がきて冬に戻ってまた春が来てまた雪が積もりました。この時期本当によく分かりませんね。幸い体の調子は一切崩れていないので嬉しい限りです。
今日は2月末にヒヤリとしたお話をしたいと思います。前回年末に人参畑を泥棒に入った大鹿を捕まえたという話から、約2ヶ月ほど捕まらない時期がありました。そして2月の末に一本角の雄ジカを捕まえたのです。久々の獲物に気持ちが昂る反面、その罠をした場所の地形が少し厄介でちょっとヤバいなという感じもしました。その罠をくくり付けた木はかなり傾斜がきつい山の斜面にあって、鹿は斜面の上にいます。罠を仕掛ける時、大体の捕獲時の動きをイメージしてますが、ここまで上手く斜面の上に身構えられるとは思いませんでした。回り込んで上に行こうにも斜面がきつく鹿の上に上がる事が出来ません。狩猟の講習会でも言われる事で、自分より高い位置にいる獣を仕留めに行くのはかなり危険であり、もし上から突進されたら落ちて来る力も加わってかなりの威力になり、ぶつかった時大怪我や死亡事故に繋がると。その言葉が頭にちらつきながら、上手く誘導できないものかと石を投げたり、鉄槍の先を鹿の近くまで伸ばして振ったりしましたが効果はありません。
しばらくそんな時間が続きましたが、もう歯痒くなって鹿より低い位置ではありますが、鹿と地面の直線上では無い所に足場を上手く確保できる場所を見つけたのでそこから一発で仕留めるつもりで行ってやろうと決心しました。
集中して頸動脈目掛け槍を伸ばしましたが、斜面で足場が悪くバランスを崩し、上手く槍が入らなかったのです、しかもなんとその時鹿が暴れてくくっているワイヤーが切れてしまい60kg程の鹿が僕の右脚から30cmぐらいの距離に突っ込んできたのです。少し放心状態になりましたが、我に返って逃げた鹿を追いかけて森に入りました。しかし足は鹿の方が何倍も速く一瞬で谷の向こう側まで逃げられ、その後姿が見えなくなりました。落ち着いてから何度も思い出しますが、上から突進してきた時の鹿のスピードと地面に着地した時の音が生々しく、あれを正面から食らってたらどうなってたか、本当に恐ろしくてたまりません。
皆さんも絶対に獣は傾斜の上から仕留めて下さい!