スタッフコラム(湊)
皆さん最近釣りは行っておられますか?スタッフの湊です。
本格的に寒くなって来ました、丹後のウラニシ気候が始まると雨の降ったり止んだりが続くので釣りに行きにくくなり、雨や風で急に行けなくなると前日解凍した餌のオキアミを再冷凍する事も。冷凍解凍を繰り返すと身が脆くなって差し餌(針に付ける餌)には使えなくなってしまいます。仕方なくそれは撒き餌にします、とか言う釣り餌の事情はさておき、ついに自分で山から肉を得る事が出来ました。
前々から人参畑を荒らしていた100kgを超える様な巨鹿では無かったのですが、50kg程の雌鹿を捕まえる事に成功しました。以前もお話しさせて頂いたかも知れませんが、僕は自給自足の生き方を目指しています。もちろん電気も車も携帯も色んな文明の力を使うので、本当の自給自足とは程遠いですが、食べ物から少しずつ自給自足の割合を上げて行けたらと思っているのです。
そして梅本農場で働き出してこの5年間、山から肉を獲りたいとずっと思い続けてきました。実は働き出した最初の一年目に僕にそう思わせる大きな出来事があったのです。ある日近所の猟をされる農家さんが100kgを越えるイノシシを箱罠で捕まえられ、偶然止め刺し(とどめを刺して動きを止める)する場面に立ち会う事が出来ました。ロープで檻に入ったイノシシの前足を引っ張って動きを封じ、首元を槍で刺してとどめを刺すと言う方法でしたが、イノシシの力がとてつもなく強くロープを引っ張る大人4人が振り回されてしまう程だったのです。その後無事にとどめを刺す事が出来たのですが、その時に感じたものが何とも言えない感慨深いもので、切れた動脈から血がたくさん出て命が肉体から抜けて行く様、それでも最後まで足掻こうとする姿を見てしまうと何か心から溢れ出るものを感じ、手を合わさずにはいられませんでした。
その後そのイノシシを食べると何と美味しい事でしょう。生きていると言う事はこう言う事なんだと改めて考えさせられる出来事だったのです。その日からこの手で山から肉を獲ることを目指して、やっと肉を獲る事が出来たのは自分の成長を感じられる事でもあるのです。
でもよくよく考えて見ると釣りをしている時に魚にこれ程感情を移入するかと思ったらちょっと返す言葉が見つかりませんが、魚もお米も野菜も全て有り難く頂いております!