月刊てんとうむしばたけ便り(第116号10/26)
10月も終わりになり、ようやく秋らしい気候になりましたね。と言っても、まだ半袖がちょうど良い日もあったり…。
畑のまわりや河川敷では、セイタカアワダチ草の黄色い花がいっぱい咲いています。
先日、韓国の方が取材に来られた時、「日本の秋は黄色が鮮やかでいいですね!」と、セイタカアワダチ草の花を感心されていました。
「あれ?韓国にはセイタカアワダチ草は生えていないのですか?」
「そうなんです。日本のどこへ行ってもきれいに咲いているし、名前も知りませんでした。」
「元はアメリカからやってきた外来種で、日本には戦後広がったそうですよ。」
日本も韓国も同じ東アジアの気候なのに、広がりが違うのは不思議ですね。
ミツバチにとって、秋は蜜を出す花が少ないので、大量に咲く蜜のあるセイタカアワダチ草はとってもステキな食料だそうです。そのため、韓国の養蜂家は秋が大変だとか…。
(日本の養蜂家の話では、セイタカアワダチ草のハチミツは美味しくないらしいです。韓国の養蜂家からすれば羨ましいかぎりだとか…)
日本古来の秋の風景と言えば、ススキ!
一時期ススキもセイタカアワダチ草に追いやられて激減して問題になっていました。
ところが、セイタカアワダチ草は同じ土地に何十年も育っていると、連作障害が出て再びススキが各地に復活し、今では共存しています。
ちなみに、ススキはイネ科、セイタカアワダチ草はキク科。イネ科とキク科の混植は、野菜と同じく相性がいいコンパニオンプランツなのです。
~○~○~この夏の決済(てんきと、やさい)~○~○~
夏、これほど暑く、そして雨の全く降らない年は経験のない厳しい夏でした。
夏の人気野菜と言えば、トマト!てんとうむしばたけでは、大玉、中玉、プチ、全部で4種類のトマトを育てています。
トマトは雨が苦手なので、ビニールハウスの中で雨除け栽培。
ビニールハウス内は雨がかからない代わりにかなりの高温になります。
そこで、遮光ネット(遮光率20%)をビニールハウスの天井に張ることで、ちょうど良い温度にできていました。
ところが、ここ5年位前から温暖化が厳しくなり、大玉トマトはお盆までで終わり、暑さにより強いプチトマトもお盆を乗り越えるのが辛くなってきたのです。
そこで、遮光率30%のネットを新しく購入したところ、ようやく無事夏を乗り越えて、秋までおいしいプチトマトが出荷できました。それでも、温暖化はさらに強く、昨年から再び夏を乗り越えられなくなってきたのです。
野菜栽培において、増収、長期収穫のかなめは、いかに温度を上げられるか…でした。ビニールハウスや黒いビニールマルチは効果的です。でも、それは昔の話!
今はどうやって温度を下げるか…が重要点になってきているのです。
黒ではなく、白いビニールマルチを地面に張って温度を下げる。ビニールハウスの高さをより高くして通気性を良くする。遮光ネットを活用する。スプリンクラーを常設して潅水で温度を下げる。あの手この手で、夏を乗り切る工夫をこらしています。
でもね、実は、温度を上げる工夫に比べて、下げる工夫は2~3倍のコストがかかります。さらに温暖化が進むと、育てるのが難しい野菜も出てくるかもしれません。
秋冬野菜に収穫期を迎えるにんじん、キャベツ、大根は、真夏の炎天下での種まきをして、暑さ厳しい時期に幼少期を過ごします。昨年あたりから、種をまいても発芽しなかったり、小さな芽が暑さで枯れてしまったりして、栽培方法を考えないといけなくなりました。
高温対策は暑さに強い野菜に代えるのも一つの手です。沖縄出身のゴーヤ(苦瓜)!
京丹後では温度が低かったので、経営には向いていなかったのですが、今では夏の主力野菜の一つになってきました。
熱帯出身のサツマイモも丸々太ってとっても美味しい芋がたくさん出来ています。
来年以降もこの厳しい暑い夏が続くことでしょう。
「地球温暖化を止めるのは毎日の暮らしの選択から!」
公共交通機関を使う。自転車、歩いて移動する。電力会社を選ぶ。天然素材の服を選ぶ。マイボトル!
オーガニックを選ぶ。
なんなら、みんなで有機農業やろう!