月刊てんとうむし畑便り2025年1月(第119号1/5)
新年、あけましておめでとうございます。
ここ、京丹後市は日本海なので、冬は晴れの日が少なく「弁当忘れても、傘忘れるな!」と言うくらいに、雨・アラレ・雪の日が多いのです。丹後半島が日本海へ突き出ているので日本海側の中でも、特に冬の気象が激しく変化します。
そのコロコロ変わる天気のことを「うらにし」と呼んでいます。
そんな、うらにしの京丹後市ですが、一月一日の元旦がおだやかで、青空も見える一日でした。
元旦の天気の様に2025年が平穏な一年であってほしいまと願いながら、この1月号を書いております。
~○~○~ てんとうむし畑に住む、てんとうむし ~○~○~
赤い背中に七つの黒い斑点もよう…みんな知っていますよね。
いろんな虫を見かけるし、昆虫図鑑をめくってみても、てんとうむしほど色鮮やかな赤色の虫っていませんよね。
ちなみにGoogleで「赤い虫」って検索sたら「タカラダニ」という小さなダニが出てきました。それも、くすんだ赤。
この鮮やかな赤は、何のためなのかな?いつも思います。
このてんとうむしのエサはアブラム。植物の汁を吸い、時には大発生して野菜が出荷できなくなったり、ウィルス病を媒介する農家にとっては厄介な奴、アブラムシをむしゃむしゃと食べてくれるとっても頼もしい昆虫なのです。
夏の間は、てんとうむし畑のあちこちでてんとうむしを見かけますが、今、この厳冬期はどこにいるのでしょうね。
枯れた草の下を探してみると、数匹集まって冬眠しているのを見つけることが出来ます。
冬の間も枯れずに緑の葉のカラスノエンドウの株元には、必ずといってもいいほど高い確率で発見できますよ。
野生のエンドウの仲間、春一番にどんどん成長し、紫色の花を咲かせます。マメ科なので、根粒菌といって土を肥やしてくれる菌を育てる、とっても優れた草。そんなカラスノエンドウは、春先一番に成長と共にアブラムシがやってくるんですね。
冬眠からさめたてんとうむしは、すぐエサにありつけるって訳!賢いよね。
そして、冬眠から覚めてエサを食べて、次にアブラムシの居そうな草に卵を産みます。幼虫もまたアブラムシを食べてくれるのですよ。
小さな子どもたちにも人気のてんとうむし、実は、畑にたくさん見かけるということは、厄介なアブラムシもたくさんいるということ。困ったことだと思うかもしれませんが、人間にとって害虫もいて、それを食べるてんとうむしもいて、それで自然界のバランスをとっているのです。
この多様性を活かすのが有機農業。てんとうむしは、子どもに人気があるだけでなく、多様性のバランスのとれた有機農業の高誠一員でもあるのです。
そんな訳で、畑の名称をつけるときに、真っ先に思いついたのが「てんとうむし畑」だったのです。
てんとうむしを漢字で書くと、「天道虫」。てんとうむしを捕まえたことありますか?
手のひらに乗せると元気に歩き回って、一番高いところ、人差し指を1本たてると、その人差し指の先まで登って、赤と黒の羽根を広げて天へ飛んでゆきます。その動きから、天を行く道を示す虫、ということで「天道虫」と名付けられました。
そう、正しい道を示してゆく畑でもありたい、そんな思いも「てんとうむし畑」には込められているのです。
2025年もオーガニックスタンダード(オーガニックが当たりまえの社会)になる様、そして、「てんとうむし畑」の名前の由来のよう活動し、おいしい野菜をたくさん届けられるようにがんばってゆきます。
てんとうむしの、あの鮮やかな赤色は、私たちに自然界のこと、多様性のこと、天道のことを教えるための目立つ色なのかもしれませんね。