週刊ミニてんとうむし畑便り(11/9~11/15ミニ第482号)

雨つづきで、畑作業が前に進まないことを、先週号のお便りで書きました。
その後ようやく一週間晴れが続き、畑の土が良い状態になりました。
大型のトラクターで草堆肥を撒き、うね立てをして、玉ねぎ・春キャベツ・えんどうの準備が完了です。
次の晴れが来たら、この畑にこれら越冬野菜の苗を次々と植えつけてゆきます。

京丹後は、これから「うらにし」といって、寒気が入る毎に雨が降り、太陽を見ることが滅多にない季節に入ります。
「弁当忘れても傘忘れるな!」といわれるくらい。この晴れの日がとっても貴重なのです。

つい3日ほど前のこと、防災無線の緊急放送がありました。私の家から車で10分もかからない集落で、男性の方が熊に襲われたとのこと。幸い、軽傷で済んだとのこと。
この近所でも、ワナにかかった熊が今年に入って10頭以上になっていたり、我家のすぐ横の梨園で、熊の目撃があったり、テレビで流れる熊被害のニュースが人事ではない状況になっています。
ずっと前から、この近所でも、熊は住んでいるのですが、以前は人家に近付くことは滅多になく、どちらかというと、熊の方が人間を避けていた感じでした。それが最近では、集落の中まで入って来たり、凶暴になってきていますよね。

もうずい分前の事ですが、知床半島の先の方で、昆布漁をしている漁師たちのすぐ横で、ヒグマが鮭をつかまえて食べている映像を見たことがあります。ヒグマ達と漁師達は、常に一定の距離があり(といっても50mくらい)、お互い決してそのなわ張りに足を踏み入れないそうです。
ヒグマは鮭に興味があり、漁師は昆布に興味があるのであって、その関係は、ずーっと以前から保たれていたそうなのです。鮭は豊富に存在していて、ヒグマ達はそれで十分満足なのでしょう。

ところが、地球温暖化で自然環境に異変がおき、鮭はかなり減ってきているそうです。
本州でも、特に昨年・今年と猛暑・かんばつが続き、トチの実やブナの実、シイの実など、熊の大好物のドングリ類が大凶作らしいのです。
人間でも、満足に食べる事が出来ないと、心が荒れてすさんでいくのと同様、熊も食べ物を求めて凶暴化しているのでしょう。
人命のために熊を退治することはしかたないと思いますが、その根本原因は地球温暖化・自然破壊という、人間のエゴにあるのではないでしょうか。
熊から人間の暮らしを守るための活動が盛んに報じられてますが、それと同時に、熊と人とが共生できる環境を、もう一度つくり直すことも考えていかないといけないと思います。