週刊ミニてんとうむし畑たより9/12〜9/18
9月に入り、まわりでは、一勢に稲刈がはじまりました。(私のところは野菜専業なので、稲刈はありませんが…)9月に入っても雨の日が多く、稲刈りも思う様に進んでいない様です。それでも、大きな音をあげて稲を刈ってゆくコンバインの跡には、独特の稲ワラのいい匂いがあたりにただよっています。
どこの家も稲刈が終わると運動会や秋祭りになるのですが、今年もそれは中止。
8月の大雨で、畑の心(深い所)までしっかりと水を含んでしまっているので、なかなか土が乾かず、秋冬野菜のたねまきが予定通り進んでいません。秋晴れの空が続くのを期待するばかりです。
8月9月は大学の夏休みの様で、今年も多くの大学生が調査や体験のために訪れて来てくれます。皆さんから、かならず質問を受けるのが「有機農業においてかかえている課題・問題は何ですか?」というもの。その課題解決がゼミやサークルのテーマの様です。
私たちにとっての最も大きな課題は、「ここ数年の急激な地球温暖化にどう対処してゆくか」です。
異常気象が起こることが、平年の天候となり、害虫の被害もかなり増えてきています。今まで、ビニールハウス等を活用して、どうやって地温をあげるか、が収量のポイントでしたが、ここ数年はどうやって地温を下げるか、が重要になってきているのです。また、気温の上昇によって今まで出来ていた品種があまり良く出来なくなったりしています。
特に殺虫剤を使用しないため、害虫被害の拡大は深刻です。
虫が活動盛んな6〜9月に重点的に対策しておれば良かったのが、4〜11月まで虫の活動が盛んな時期がふえているからです。10年前には、見たことすらなかった害虫が、今ではあたりまえに畑に暮らしているのですから。
そんな話をすると、ほとんどの大学生は、うなずきながらもとまどっている様です。きっと、後継者不足や高齢化、耕作放棄地、規格外品や販売価格のこと等が出てくると想像していたからでしょうね。
地球温暖化の問題には、「対処」と「防止」が必要です。
「対処」については、私たちの研究や努力、あるいは、専門機関の研究が必要になってきます。「防止」については、皆さん一人一人が毎日の生活の中で、工夫をしてゆくことが大切です。買い物をする際は、特に大切。「エコなもの」「ローカルなもの」「オーガニックなもの」を選んで下さい。一人の力で温暖化をくいとめることは難しいけれど、一人一人の意識と行動の変化が防止につながります。
それは自分達の将来、そして、次の世代のための選択でもあるのですよ…と大学生には伝えています。