ときどき月刊てんとうむし畑たより2023年1月

あけましておめでとうございます。

昨シーズンは、クリスマスに咲き出したロウバイの花も、今年はまだ蕾のままの新年です。丹後では珍しく、雪のない元旦を迎えました、同じお正月でも、毎年少しずつ違いがあるのを見つけるのが楽しいですね。

冬、雪に埋もれて畑のまわりの森は、静かな世界が広がっています。これからの季節は雪溶けとともに、落葉集めのために森に入り、熊手で落葉をかき集めて、軽トラックに積み込む作業が始まります。下を向いての作業がつづきますが、時々上を見上げてみると、落葉を与えてくれた木々が空に向かって伸びています。中には、ビルの3階くらいの10mを超す巨木もあります。幹周りは大人の両腕で巻けないほど太い。重さにすると何トンくらいになるのでしょう。そんな巨木が急な斜面にすっーと立っているのです。

風が吹いても、雪崩が起きても倒れることなく。きっと根っこががっしりと土の中に張って巨木を支えているのでしょう。根っこ…植物だけにしかないもの。高さ10mの巨木は地下に、その倍の20mの根っこが地下に張っていると言われています。枝が直径5mに横に伸びていると、根っこはその倍の10m横に張っているそうです。木だけでなく、野菜も草もみな根っこは茎葉の倍に張っているそうです。

植物って私たちがふだん目にしている緑の部分は実は体の一部分であって、その大方はふだん目に見えない土の中の根っこなのですよね。雑草を引き抜いてみると、根っこがびっしり張ってなかなか抜けない。こんな経験あると思います。その根量に驚いたかもしれませんね。(実はほとんどちぎれてしまっています)

ライ麦って知っていますか?乾燥した気候や土を好むので、水分を求めて、他よりたくさんの根っこを出すそうです。そのライ麦の根っこの本数をかぞえた学者がいます。

1株(30本位の茎葉)のライ麦から、太い根っこは143本、細い根っこは1300万本もあったそうです。そして根っこの長さを全部つなげてみるとなんと623km (東京〜神戸)、表面積は237㎡(タタミ144畳)、さらに根毛という顕微鏡サイズの根っこが100億本以上も数えられたそうです。すごい量ですよね。

私たち、森の中をかき分けて歩いたり、畑の野菜の間を歩いたりできます。もし、森や畑の土の中を入っていけるとしたら、このとんでもない根っこにからまって前へ進めれない!

また、根っこは、水分や養分を吸い取っていることはよくご存知だと思いますが、吸うだけでなく、いろんな分泌液を出して、何百、何千兆もの微生物を呼び寄せていっしょに暮らして(共生)しているのですよ。

私たちは毎日、お米や麦、野菜、豆といった植物を食べています。肉や卵となる牛や豚、鶏も植物たべて育っています。人間だけでなく、どんな動物も植物なしには生きてゆけません。そしてその植物の大半は根っこであり、重要な役割をしているのです。

根っこ…ほとんどが茶色で真っ暗な土の中で地味な存在。だけどすごい力持ちで、すごい能力。私たちの命の支えです。根性、根本、根気、根源…いろんな熟語があるけど知られている以上にもっとすごい!

みなさんの根っこである様、生きてゆきたいなと思っています。

余談…動物には根っこがありませんが、私たちの胃や腸が根っこと同じしくみになっているといわれています。腸をぐるっとひっくりかえしたら根っこと同じだそう…なるほど。

ーーーお知らせーーー

2月の12日(日)と19日(日)に味噌作りワークショップを行います。12日は糀つくり、19日が味噌仕込み。どちらかだけの参加もOK。(詳細はまだですみません)詳しくは近々、おたより(週刊)やインスタでお知らせします。

米と大豆はセイロで蒸します。
米に糀タネをまぶして醗酵させます。