月刊てんとうむしばたけ便り(第108号)

立春が過ぎて、2月10日は旧暦の元旦。元旦らしく、庭の梅の花も咲き出しています。どうしたことか、いつもは3月に咲き出す桃も、数輪咲いています。寒さもようやく和らいで、春に向かっている感じがしますね。

正月の行事は新暦で、行っていますが、畑仕事は月の暦によります。そう2月10日が畑の一年の始まりです。半年ほど使っていなかった草だらけの育苗ハウスをみんなできれいにして、早速種まきの始まりです。まずは、寒さに強い、リーフレタス、春白菜、キャベツ、ミズナなどの葉物から。春に向かうとはいえ、丹後の2月は雪や雨雲にさえぎられて太陽がほとんど照ってくれません。地温もあがらないので、まずは温床で発芽させます。あたたかい気候を好む、夏野菜たち(なす、ピーマン、トマトなど)は旧暦の二月に入ってからのたねまきです。

ー野菜つくらず土をつくる!ー

最近、しばらく手にしていない、いろんなものを処分、つまり断捨離を始めています。もう読むことのない、本や雑誌、VTRやDVD、音楽CD、子供が小さいころのおもちゃ…。本棚の奥から古いノートが出てきて、めくってみると、「今日から野菜をつくらず土をつくる」と大きく書いてあります。そういえば、宣言したなぁ〜って。

長男が小学校に入学したのをきっかけに「わが子だけでなく、どの子供にも食べてもらいたい野菜を作ろう!」って有機農業に切り替え出したのが、24年前。その頃は有機といっても、一部のお店にしかなく、高価でなかなか手がだせない世界でした。自分たちのような子育ての世代が気軽に入手できるのが当たり前の社会。オーガニックスタンダードを目指して、がんばってきました。

最近では、各地で学校給食に有機農産物を取り入れる活動が増えてきていますし、自然食品を取り扱う店もよく見かけるようになりましたね。

24年前、有機農業に切り替え出したころ、それまで使っていた農薬や化学肥料を止めたらいいって単純に考えていました。防虫ネット、牛糞、鶏糞…。でも虫喰いだらけ、病気で枯れたり…できたとしてもなんだか美味しいとはいえない野菜でした。

いい野菜をつくろうと、すればするほど、思い通りにならないって悩んでいました。

収穫するものもないし、じゃあいろんな所へ行って勉強しよう!埼玉県小川町へ勉強に行ったら、「自然がお手本」と教わりました。自然農法センターの技術指導の方から「自然の摂理を学びなさい」毎月かよった南丹市の西村和雄先生からは、「森をよく観ること」と教わりました。森は人が何もしなくても毎年新芽をつけ、たくさんの木の実をならせて動物を養う。河川敷の草たちは何もせずとも、背丈以上の成長をする。

落ち葉を集めに1日森の中で過ごしていると、いろんな発見があります。見上げてみると、大木の小枝が毛細血管のように広がって生きています。

下をみると、落葉の間にいろんなたくさんの虫達が動いています。遠くからみると、静寂に見えた森が、入ってみるととてもにぎやかで、なんて生命力あふれていることでしょう!みんな、自分たちで生きているのですね。地球に住む、生き物は人間も動物も植物も微生物もみんな同じ。自ら生きているのです。野菜も同じなんですよね。いい野菜は作るものでなく、自らの力で育つもんなのですね。畑は人工物なので、その環境をととのえてあげるのが、私たちの役割なんだって思い至ったのが、17,18年前のこと。

野菜も人もみんな生き物は同じです。思うように活発に行動し、命あるものを食べることで元気に病気にもならない。野菜の場合は、その根本が土にあるってこと。30年前に山を拓し、谷を埋めて造成された開拓ばたけなので、土がない?!!ということで、まずは土を作るとこから始めないと!と思い、宣言したのです。

土を作るにも、土とは一体何だ?実は、大学では土壌学を専攻したのですが、そこで学んだこととは全くちがう答えに辿り着いたのです。

このつづきは、また次回(3月号にて)

今年の冬はあたたかいので、いろんな虫達が動いています。ほうれん草などの葉物も食べられてしまったり…そこでニワトリ大作戦!