週刊ミニてんとうむし畑たより2/20〜2/26

雨水(2/19)が過ぎて、積もった雪も溶けてゆくかと思えば、また、冬型が強まり、雪の予報になっています。先週の満月に合わせて、種まきした野菜たち、芽を出したものの、少し寒そうにしています。

育苗ハウスの中なのですが、外は日中でも3℃にも届かず、雪雲に覆われて太陽が出ないので、温度があがりません。ヒーター入れているのですけれどね。

早く、太陽顔を出してくれないかな…。

日本海にすぐ近いここ丹後は冬の間、雪にすっぽり包まれ、空は雪雲のため、太陽を見かけること、ほとんどありません。湿気が強く、洗濯物がなかなか乾かないのです。そこで、冬の湿気が役に立つ、生糸産業や、機械産業が栄えていました。江戸時代に技術が確立した「丹後ちりめん」生地を使った和服産業と和装文化のおかげで、昭和の終わりまで潤ったのです。機織の機械が”ガチャ”と音を立てて、動く度に万円がかせげたので”ガチャマン”と呼ぶほどに景気が良かったそうです。私が子供の頃(当時は父親の転勤のため、横浜に住んでいました)祖父母の暮らす丹後へ来るとあちこちで”ガチャ・ガチャ”と大きな音をたてて機織していました。

時代は変わり、着物を着る人がいなくなり、機織産業は衰退してきました。

機織産業に代る新しい産業として、野菜農業(稲作は以前からさかんでした)に目がつけられたのです。30年程前に国営丹後農地開発という大きなプロジェクトが立ち上がり、10年程かけて、丹後の丘陵地の森林が開拓されて、約700haの畑作農地が生まれました。

もちろん開発に伴う、自然破壊の問題も多くあったと思います。今、その国営開発農地で7haの畑を私たちは有機農業にて野菜を育てています。有機農業を行なっている私たちの仲間の畑の面積を合わせると、14haほどになります。それは、丹後の開発農地の約2%。有機農業の農地の割合は全国で0.5%前後だそうなので、なんと4倍もあるのです。丹後ちりめんに代る産業として生まれた国営農地。そのなかから、有機農業が更に主力産業として育ててゆきたいなあとも思っています。

太陽が出ず、湿気の多い丹後では、醗酵にもぴったり!毎日の様に、糀つくりがつづきます。